ステムサップ点滴（StemSup™）

エクソソームとは体内のほとんどの細胞から分泌される直径50-150nm(ナノメートル：10億分の1メートル)ほどの細胞外小胞※の一種です。内部に分泌細胞に由来する細胞膜タンパク質やDNA・メッセンジャーRNA（mRNA）・マイクロRNA（miRNA）といった情報伝達物質を含んでおり、細胞や組織に伝達するメッセンジャーとしての役割を担っています。これらの情報伝達物質を血管や髄液に乗って損傷を受けた細胞へと送り届け、組織修復を促します。

エクソソームは、様々な病気の改善効果が示唆されていることから、再生医療や美容等の分野で注目されています。

細胞外小胞=ほぼ全ての細胞から分泌される膜に包まれた袋状の構造の総称

「ステムサップ」とは、ヒト由来の歯髄・脂肪・臍帯から採取したそれぞれの幹細胞を培養する中で得られる、上澄み液（培養上清）のみを集めた幹細胞培養上清液です。
幹細胞上清液のもととなる幹細胞は、採取した起源（歯髄・脂肪・臍帯）によって、含まれるサイトカイン（成長因子）の種類やエクソソームの量に違いがあります。また、それぞれ再生力も異なるため、発揮する効果にも違いがあります。
そのため、治療目的に応じて最も適切な幹細胞培養上清液を使用することが重要となります。
当院で使用するステムサップは、脂肪幹細胞由来（StemSup-A）、歯髄幹細胞由来（StemSup-DP）、臍帯幹細胞由来（StemSup-UC）3種類をご用意しているため、様々な症状に合わせて使い分けることが可能です。

現在、様々な幹細胞上清液が流通していますが、培養する技術によって成長因子（サイトカイン）やエクソソームの質に大きな差があります。
幹細胞培養上清液「ステムサップ」は、国内で実績の高い細胞加工施設において製造されているため、エクソソームやサイトカイン（成長因子）といった生理活性物質が豊富に含まれています。

細胞外小胞の中には、エクソソーム以外にマイクロベシクルやアポトーシス小体と呼ばれるものも存在しています。
ステムサップ点滴（StemSup^™）で使用する「ステムサップ」は、エクソソームであることを証明するのに重要な表面マーカー「CD9」「CD63」を発現しているため、本物のエクソソームであることが認められています。

エクソソームは製剤化する過程で多くが失われてしまいます。「ステムサップ」では、製造過程でエクソソームの含有量を細かく測定することで高い品質を保っています。そのため、ステムサップは採取したてのエクソソームとほとんど変わらない量のエクソソームが含有されています。

幹細胞培養上清液「ステムサップ」には、「脂肪」「歯髄」「臍帯」それぞれから採取した幹細胞を培養して製造された「脂肪幹細胞由来培養上清液（StemSup-A）」「歯髄幹細胞由来培養上清液（StemSup-DP）」「臍帯幹細胞由来培養上清液（StemSup-UC）」の3種類の幹細胞培養上清液があります。
それぞれは特徴が異なるため、違った効果が期待できます。

脂肪幹細胞由来培養上清液（StemSup-A）

脂肪幹細胞由来培養上清液は、ヒトの腹部などの脂肪から採取した幹細胞を培養し、培養液の上澄み液（培養上清）のみを集めた幹細胞培養上清液です。
組織修復・再生、血管新生、免疫調整など幅広い作用を持つHGF（細胞増殖因子）が多く含まれているのが特徴です。
さらに脂肪由来のエクソソームの中に存在するマイクロRNA（mRNA）にも、血管新生の作用があることから、皮膚や毛髪の再生に優れています。
脂肪幹細胞由来培養上清液を点滴投与することでアンチエイジング効果、疲労回復、育毛促進などの効果が期待できます。

歯髄幹細胞由来培養上清液（StemSup-DP）

歯髄幹細胞由来培養上清液は、子供の乳歯から採取した幹細胞を培養し、培養液の上澄み液（培養上清）のみを集めた幹細胞培養上清液です。
毛細血管を創る作用を持つVEGF（血管内皮増殖因子）や抗炎症作用・傷跡修復作用を持つTGF-β1（トランスフォーミング増殖因子）が多く含まれているのが特徴です。
さらに歯髄由来のエクソソームの中に存在するマイクロRNA（mRNA）は、神経の再生や修復に優れています。
歯髄由来幹細胞培養上清液を点滴投与することで慢性疼痛の改善や痛みなどを伴う疾患の予防・改善の効果が期待できます。

臍帯幹細胞由来培養上清液は、ヒトの臍帯（へその緒）から採取した幹細胞を培養し、培養液の上澄み液（培養上清）のみを集めた幹細胞培養上清液です。
サイトカイン（成長因子）の種類やエクソソームに存在するマイクロRNA（mRNA）の量が他の由来の幹細胞培養上清液よりも多く含まれており、血管の新生、組織修復作用、免疫調整作用※、炎症鎮静作用などあらゆる点において優れています。
臍帯幹細胞由来培養上清液を点滴投与することでアンチエイジング効果や糖尿病、関節リウマチ、肝硬変などの疾患を改善する効果が期待できます。

「過剰に反応した免疫を抑制する働き」と「低下している免疫を向上させる」の2つの効果が期待できます

ステムサップ点滴（StemSup^™）で使用する3種類（歯髄・脂肪・臍帯）の幹細胞培養上清液（ステムサップ）は、豊富な実績と確かな技術を兼ね備えた国内の細胞培養加工施設で製造されています。厳密な品質管理のもといくつもの検査を実施し、高い品質と検査基準をクリアした製品のみを提供しています。
また、培養する幹細胞においても採取するドナーの選定から厳しい基準を設け、感染症等の検査をクリアした健康な日本人の組織のみを使用しています。

ウシアルブミン

エンドトキシン

一般細菌

真菌

マイコプラズマ

各種ウイルス（HBV・HCV・HIV-1/2・HTLV-1/2・ParvoB19・EBV・CMV・HSV-1/2・VZV・HHV-6/6/8・ADV・JCV・BKV・HPV）

流通している培養上清の中には、混合不純物（ウシ由来タンパク）が含まれているものも存在しています。
「ステムサップ」は、ヒト幹細胞培養上清なので、混合不純物（ウシ由来タンパク）は含まれておりません。
また、万が一にも備え製造ロットごとに不純物が含有していないか確認をしているため安心です。